北欧家具のクリーニング~ 北欧ダイニングテーブルを例に ~
loolで扱っている家具は
ヨーロッパで使われていた古い家具です。
40年、50年、60年使われていたものなので
ちゃんとメンテナンスしなければなりません。
引き出しの底板が悪ければ交換したり、
イスの足がぐらついてたり機能や構造に問題があるものは
もちろん無料で修理します。
また、ヨーロッパの人たちは日本人よりも平均身長が高いため、
イスの脚をカットして調整しなければならないこともあります。
特に日本人女性では脚カットが必要になる場合が多いですが、
loolでは実際にお座りいただきながら高さ調整も可能です。
ここでは北欧のダイニングテーブルのクリーニングを例に、
クリーニングについてご説明いたします。
北欧家具、デンマークのダイニングテーブル。
40年、50年、60年と使われると
それなりに傷やシミなどが残ります。
使えば当然ですし、
それがアジでもありますが、
「きれいに使いたい!」
と思われる方もいらっしゃいます。
そんな方にクリーニングのサービスです。
↑ こちらの北欧ダイニングテーブルには
このようなダメージがありました。
さっそくクリーニングしていきましょう。
1. まずは養生と分解
来たるべき作業の前に、
まずは薬剤や塗料などが
不必要な場所につかないように
マスキングテープやビニールや新聞などで
養生しながら分解します。
2. 剥離
次に剥離作業です。
木と人間の肌はよく似ていて、
古い北欧家具などに
数十年前に施された塗装は
人間でいうとお化粧したまま寝て起きた朝のお化粧
と同じ状態です。
特に北欧のダイニングテーブルは
天板の塗装の劣化は激しい場合が多く
性能も劣化しているため
クレンジングしてやる必要があります。
クレンジングが剥離
だと考えていただければわかりやすいと思います。
仮に古い塗装の上から新たに塗装をしても、
お化粧と同じでうまくのらず、劣化が早いのです。
今回は剥離と洗浄をする場合と
しない場合の違いを分かりやすくするために
一部剥離しない部分をとっておきます。↓
3. 洗浄
ヘラでこそぎとっても
ドロドロのスライムは木の表面にはまだ残っています。
これを水とスクレイパーで洗浄して
完全に取り除きます。
完全に取り除かなければなりません。
北欧家具、
特にチェストやダイニングテーブルは
手がかかります。
4.研磨
まずはサンダーで磨いて細かな傷などを調整していきます。
エアーを吹いて木の粉を吹き飛ばし、
アルコールで濡らして細かな傷を浮き上がらせて確認します。
北欧に限らずダイニングテーブルは
面積が広くチェックも時間がかかります。
ダイニングテーブルを構成する
天板やエクステンション、脚や幕板(天板下の台)など
すべてのパーツに同様の作業を施します。↓
剥離しない方には
木の導管に古い塗装や汚れが残って
くろっぽいツブツブのようなものが残ります。
剥離したほうではそれがほとんどなくなっています。↓
北欧家具で例えるとわかりにくいですが、
毛穴に汚れが残っている肌と
そうでない肌の違いで考えていただけるとわかりやすいと思います。
loolではリクエストがない限り着色をしません。
色つき塗料では毛穴の汚れは見えにくくなりますが、
無着色だとごまかせないのできれいにしてやる必要があります。
ダイニングテーブルは天板が面なので
ダメージなど目立つからです。
せっかく磨いて新しい木肌が出てくるのだから、
飾らない本来の木の色で楽しみたいと考えています。
5. 塗装
いよいよ塗装です。
loolではどうやって使われるか
用途やリクエストをうかがって、
着色したり、別の塗料を使ったり
塗装を使い分けます。
オイルの塗装はデリケートなので、
ドイツにあるオスモ本社で研修を受けてきました。
↑ダイニングテーブルを構成する
天板やエクステンションや脚など
すべてのパーツに同じ作業をします。
特に天板はお茶や調味料などをこぼしたりと
ハードな環境なので一晩寝かしてもう一度塗装します。
6. できあがり
以上のような工程を経て、
家具のクリーニングを行います。
こういった作業をすると
どうなるかというと・・・↓
クレンジングして、
新しい木肌を出して、
また新しいお化粧をしたので
新品のようなべっぴんさんになるのです。
ここからまた長い長い時間をかけて
深く味わい深い色にやけていきます。
このような作業が
loolが定義する”クリーニング”です。
今回は北欧のダイニングテーブルですが、
チェストやサイドボードなども
基本的に似たような作業します。
どこまでやるか、
という問題にはなりますが、
基本的に人間と同じように手を施してあげます。
自動化できない、
すべて手作業になるため時間がかかります。
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