こどもの服も安心してしまえる
ビンテージ家具

こどもの服も安心してしまえるビンテージ家具- 母として、職人として -

img

長く安心してつかっていただきたいから

ヴィンテージのチェスト、テーブルなどの家具へのお客様の不安としては次のようなことが多いのではないでしょうか。

  • ・古いものだから強度や使い心地は良くないのでは?
  • ・汚れや傷がありすぎる
  • ・引出がひらきづらい、、、などなど

私たちも、北欧家具を自分たちの生活に取り入れてみて気づいたことが多々ありました。
それらの不安をできる限りなくし、気持ちよくお使いいただくために、私たちはヴィンテージ北欧家具にたくさん手をかけていく必要があります。

我が家のチェスト

古い北欧のチェスト、どうやって使ってるの?

ロールには様々なタイプの北欧のチェストがあります。

お花や家族の思い出の写真などを置けばインテリアのアクセントにもなってくれる、2段や3段の小ぶりのチェスト。
衣類やタオルケットなども収納できる収納力の高い5段チェストや6段チェスト。

小ぶりの北欧チェストは、こまごましたものをカゴなどで仕切るとリビングや玄関、寝室などのモノがすっきり収まりますし、見た目もこぶりでかわいい。

このサイズはどこにでも置きやすくとても便利です。
我が家では、収納力の高い6段チェストを和室で使っています。引出の深さがしっかりあるので、衣類や日用品の収納にもってこいです。幼稚園に通うこどもの衣類をはじめ幼稚園のプリント類や掃除用具、簡易救急セット、私の化粧品を一番上の段にしまって、ここでみんな身支度をしています。
1歳半のやんちゃざかりの次男坊にさわってほしくないものは、天板や1,2段目に収納しています。
下の方に幼稚園道具をしまえば上の子が自分で身支度をしてくれます。
6段チェストは“高さ”が便利で、こどもの手の届かないところに植物やレースなどインテリアを楽しむことができます。
我が家にはダイニングテーブルにもよじ登ってくる怪獣がいるので、書き物をしたり、「ちょっとお茶を飲みたいな」、なんてとき、6段チェストの天板で用を済ませたりします。本来の使い方ではありませんが(笑)

私たちが行う収納家具への修理

1. まずは診断

40~60年も大切に使われてきた北欧のチェストやテーブルでも痛みや不具合は確実に出てきます。まずはどこが悪いか、診断します。


脚の強度、やぶれ、ひび割れ、ひどい汚れやカビ、色々な修理個所が見つかります。
これらの問題をもとに修理の内容や手順を決めます。再塗装仕上げにするか、塗装はそのままで表面だけ洗浄するか、キズは残すか、取っ手を付け替えるか、仕上がりを想像しながら考えます。

一度分解します

2. “機能”の回復

レールを作り直しているところ

“収納”という機能が売りのチェストやキャビネットなどでは、引出の開閉のスムーズさなどの機能面は大切です。私はこの作業、好きです。


壊れたレールを作り変えたり、ずれた引き出しを正しく合わせたりして求められる北欧家具の機能を取り戻していきます。
北欧家具が元気になったようでうれしくなるんです。

引出を鉋(かんな)で削って調整している様子

3. 底板の交換と消毒

北欧家具の引出には衣類などを収納する方が多いです。梅雨なんかは湿気がこもりますよね。木製の北欧のチェストは湿気を吸ったり吐いたりしてくれるので、衣類収納に向いていますが、長い年月の間に汚れも結構吸っています。
チェストの引出の底板は特に痛みや汚れがあるので、基本的には同じものを新たに製作し既存の底板と交換しています。


ロールではこの底板にシナ合板を使っています。シナ合板は北欧チェストもそうですが、家具や建具の化粧材として使われるちょっと良い材料です。安価なラワン合板もありますが、ささくれだって衣類にひっかかったりしますし、シナ合板の方が見た目も美しく、ひっかかることもないのでこちらも使います。


底板を取っている作業
引出の直角はちゃんとでているかな~、を差し金という定規で確認しているところ

北欧チェストの底板を直角に切ると、引出のゆがみもわかります。ゆがんで入っていたりすると引きにくくなったり、木部が破損しやすくなったりの原因になるので、ここできちんと正しい形に整えて固定します。


底板の製作作業

もともとあった引出の底板と同じ大きさになるように板を切っているところ
板をはめて留めている作業
また直角を確認

引出の底板を交換したら、今度は消毒用エタノールなどで拭きあげ消毒作業を行います。これらは薬剤の香りが残らないので使われるときは自然な木の香りです。
こどもの服もしまえるように。


底板ビフォアアフター

下の板→古い底板上の板→つくりかえた新しい板

4. ご希望に合わせて再塗装

家具に刻まれてきたたくさんの傷やシミ、これもアジではありますが、そういったものが好きではない方には、キズやシミはなるべくなくしてきれいな状態に仕上げるご提案もします。深い傷は木を膨張させて傷をなくしたりします。
全体の傷やシミの具合が把握できたら研磨に入ります。まずは全体をサンダーという工具で磨いてきます。ここでは全体が均一に磨けているか注意しながら作業します。サンダーの後は手で磨いてサンダー特有の機械の跡をけしていき、最後は全体を粒子の細かいペーパーで均一感や平滑感を意識しながら磨き上げていきます。
細かいペーパーで磨いていくとどんどん木の表面にツヤが出てきます。ムラにならないように、丁寧に。
取っ手部分はよく手に触れる部分なので指へのひっかかりを感じないくらい磨きます。これを磨く作業は根気が必要ですが、出来上がると何とも言えない達成感があります。
細部から表面へすべて磨き終えたら削り粉をエアーで吹き飛ばし、アルコールで木目に沿って拭き上げます。粉が残ってしまうと、せっかくきれいに研磨しても塗装がのらず、仕上がりが悪くなってしまうので見落とさないように気をつけます。


5. 塗装、オイルへのこだわり

いよいよ仕上げの塗装。ロールでは「オスモ」というドイツの会社のオイルを使用しています。木材用塗料はざっくりわけると2種類あります。
ひとつめは、木の内部に浸透して効果を内側から発揮する「浸透タイプ」と、ふたつめは塗料の膜で表面を覆って木材を守る「造膜タイプ」がありますが、オスモは前者のタイプです。
オスモは通常の塗料によく使われる合成樹脂などの化学物質を使用せず、ひまわり油、大豆油、アザミ油、カルバナワックスなどといった自然の植物由来の成分から作られています。食品と同じレベルの高い安全性をうたわれており、赤ちゃんのおもちゃにも使える塗料なのです。
すっぴんになった木は乾燥しやすく、日本のように湿度が高い梅雨と乾燥する冬を過ごすには酷です。女性の肌と同じく奥まで潤いを与えてあげる必要があります。
木に染み込ませながらオイルを塗り、染み込むまで少し待ち、最後は余分な塗料を拭き取りながら、何度もウェスでふきあげます。

5. 塗装、オイルへのこだわり


6. 旅立ち

オイルを含んで濃い色に変わり、ツヤツヤお肌に生まれ変わりました。
また新しい方のもとでたくさんの思い出を刻んでいくと思うと、私たちもとてもうれしいです。

TOP